室内環境のVOC規制について

 VOC対策と一口に言っても、VOCの発生源に対する排出規制や環境中におけるVOCの濃度を規制するものなどいくつかあります。またそれを監督する官庁も異なってきています。排出規制は主に経済産業省、濃度規制については環境省や厚生労働省などが行っているようです。シックハウス関係でよく知られている「室内環境においてホルムアルデヒド濃度は100μg/立方m(0.08ppm)以下」という指針値は厚生労働省のものです。厚労省ではホルムアルデヒドなど10数種類の物質について指針値を出していますが、それは2000年前後に設定されたものです。その後、経産省や環境省も含めVOC対策について見直しをしようという動きが時々あったようですが、今まで改定されずにきていました。それがここにきて厚労省が改定を進めているという情報が入ってきました。

【改定内容】
 今回の厚労省の改定は新たに3種類の物質の追加と4種類の物質についての指針値の改定です。新たに追加される物質は
 ・2-エチル-1-ヘキサノール
・テキサノール
・2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールジイソブチレート
です。見慣れない物質ですが、シックハウス対策としてVOC発生源となる従来物質の代替品として使われるものから発生する物質として追加されたようです。また指針値が変わるのは次の物質です。
 ・キシレン
・エチルベンゼン
・フタル酸ジ-n-ブチル
・フタル酸ジ-2-エチルヘキシル
です。キシレンは約1/4、エチルベンゼンは1/65に指針値が引き下げられています。
 とはいえこれはまだ改定案です。現在厚労省でパブリックコメントを募集しているところです(期限7月4日)。→パブリックコメント募集HPはこちら

【追加物質への対応】
 今回の厚労省の改定の動きは周知が不足していたようで、他の省庁も慌てているようです。私自身もパブリックコメントを募集していることは経産省から光触媒工業会への連絡で知ったものでした。
 おそらく厚労省の改定案はそのまま通ることになると思います。その場合、新たに追加された物質への対応ですが、光触媒としてはほとんど心配していません。光触媒の有害物質除去メカニズムからすると酸化分解できるものであればほぼ物質の種類を選びません。ですので有機物が新たに加わっても除去可能です(このことはウイルスや細菌についても言えることで、ウイルスや細菌の種類を選ばず除去可能です)。この点は光触媒の優れた点の一つであり、光触媒による環境浄化を進めて行きたいと思います。

                                   【室伏】

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