光触媒最新情報

蛍光灯とLED照明;光触媒との関係

2017-05-14

 現在、弊社では可視光応答型光触媒加工液の開発を進めています。すでに可視光応答型光触媒仕様をラインナップしていますが、この仕様は可視光光源として蛍光灯を使っていました。しかし今後照明器具はLEDが中心となって行きますので、LED照明での性能も高めてゆく必要があります。どちらも同じ可視光光源なのだからどちらでもいいのではないか、と思われるかもしれませんが、可視光応答型光触媒の開発を進める上では大きな違いがあります。今回はこの違いについて解説したいと思います。

【可視光とは】
 可視光とはその名の通り「目に見える光」ですが、これを波長で定義しようとすると、実はきちんと決まった波長範囲がありません。人によって見える範囲に少し差があるため、いろいろな団体、学会で波長範囲をそれぞれ決めており、統一した波長範囲がないのです。おおよそ380nm~780nmと言われていますが、短波長側は400nmからと定義している場合もあります。そのため光触媒のJIS試験法では「可視光応答型光触媒抗菌加工製品の抗菌性試験方法・抗菌効果」となっていますが、この英語表記は「Test method for antibacterial activity of photocatalytic products and efficacy under indoor lighting environment」となっており、「可視光」という言葉は含まれず「屋内照明環境」となっています。国内向けにはわかりやすい「可視光」を使っていますが、世界に向けてはより厳密にするためきちんと定義されていない「可視光」という言葉を避けたものです。またこのJIS試験方法では蛍光灯
を使い紫外線をカットして可視光を作っているのですが、紫外線をカットするフィルターは2種類あり、400nmまでカットするフィルター(フィルターA)と380nmまでカットするフィルター(フィルターB)のどちらを使ってもいいことになっています。

【蛍光灯とLED照明】
 それでは「屋内照明」である蛍光灯とLED照明にはどのような違いがあるのでしょうか。それぞれの照明の発光原理については以前に最新情報で紹介しています(2015年11月5日掲載→記事はこちらから)。蛍光灯もLED照明も種類によって多少違っていますが、決定的に違うのは蛍光灯では380~400nm付近の光を含んでいますが、LED照明ではこの範囲の波長はほとんど含んでいないということです(図1参照、蛍光灯では短波長側(一番左)に小さなピークがある)。この可視光の範囲は前記で取り上げたJIS試験法のフィルターAとBの差に近いものになっています。紫外線の波長範囲で働いていた光触媒を改良し、働くことができる波長領域を可視光の波長範囲に広げてきているため、紫外線に近いこの波長範囲(380~400nm付近)が使えるかどうかは性能に大きな影響を与えます。実際のところフィルターBで高い性能が得られる触媒で、必ずしもフィルターAで同じような性能が得られるとは限らないのです。そしてLED照明ではその波長範囲がフィルターAに近いものになっており、活性化できる波長範囲として質的に異なる性能が求められています。
 カタライズでも可視光応答型光触媒加工液の開発を行っていますが、上記の事情を考慮して開発を進めています。例えば蛍光灯を使った試験で活性が得られている材料の場合、コストを下げることを目標にした開発を行い、使用量を増やすことで加工液としての性能を高くすることが考えられます。しかし活性化する波長範囲によってはLED照明で高い性能が得られないという可能性があります。このようなことがあるのでカタライズでは開発当初からLED照明でも高い性能が得られることを目標に開発を進めています。カタライズの今後にぜひご期待ください。

                                   【室伏】

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